7/1施行 相続法改正⑤ 不動産の承継についての見直し

不動産の承継についての見直し

 

事例父が亡くなり、母は既に亡くなっているので相続人は長男・二男の2名である。

父の遺産の大部分は自宅の不動産であり、

父は生前、「長男が自宅を含めてすべてを相続させる」という内容の遺言を残していた。

長男はいつかやればいいと思い自宅の相続登記をしていなかった。

二男は借金がありその返済滞り、債権者から二男の法定相続分について差押えがあった。

 

以前の場合

「相続させる旨の遺言等」により承継された財産については、登記等の対抗要件(登記をしなければ、権利関係の存在を第三者に対して主張できないこと)なくして第三者(この場合は債権者)に対抗できる(主張できる)とされていました。

したがって、事例の場合は長男は「相続させる旨の遺言」があることで、相続登記をしていなくても二男の債権者に自宅全部について権利が主張できることになります。

相続において、法定相続分以上の権利を取得する方法として、「相続させる旨の遺言」や「遺贈、遺産分割協議」がありますが、このうち相続の登記をしていなくても権利が主張できるのは「相続させる旨の遺言」の場合で、「遺贈や遺産分割協議」の場合は登記を先にした方が権利を主張できることとなっていました。

この違いは、「遺贈や遺産分割」では、相続人の権利を他の相続人や第三者に譲るという側面があり、この点が不動産の譲渡(売買など)と同じではないかとされ、一方「相続させる旨の遺言」は相続の発生と同時に「当然」に権利が移転するので法定相続と同様に考えることができるという違いがあるとされていました。

 

改正後は?

しかし、債権者からすると遺言の内容を知ることができないのに不動産等を差し押さえても、「相続させる旨の遺言」があることで相続人から権利を主張されてしまいます。

これでは債権者からするとこれまでの行為が台無しになったり、取引の安全が損なわれ、登記や強制執行の制度の信頼が確保できません。

そこで、新民法では、相続させる旨の遺言により財産が承継されたとしても、法定相続分を超える部分の承継については登記等の対抗要件を備えなければ、相続債権者等の第三者に対抗できないこととしました。

特に、不動産登記については、相続登記においても登記を対抗要件として必要とさせることで相続登記が促進されて、不動産の所有者が明らかになり、最近問題となっている所有者不明の土地や空き家問題に対処する目的もあるかと考えられます。

事例では、長男は遺言の内容に沿った登記をしていないと、債権者に対して遺言の内容を主張できず、差押が有効となります。

 

相続放棄をしたとき

もし、事例の二男が相続放棄をした場合はどうなるでしょうか。

この場合は、二男ははじめから父の相続人ではなかったという扱いになりますので、自宅に対して法定相続分を取得していないことになります。

このため、債権者の差押えは権利のない人への差押えとなり無効になります。

相続放棄についてはこちら

今後の注意点

債権者は、法定相続分への差押えがしやすくなると考えられるので、

遺言により権利を取得している場合は、登記を迅速に行うことが必要になります。

 

 

(出典 法務省ホームページより)

 

 

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