民法改正で変わる相続⑥ 「特別の寄与に関する見直し」
こんにちは。今日も民法改正シリーズ第7弾です。
⑥「特別の寄与に関する見直し」
これまでの規定では、相続人以外の人が亡くなった方の介護など身の回りののことを尽くしていても、遺言などがない限り財産をもらうことができませんでした。相続の相談の際にもよく「ずっと義父の面倒を看てきたのに考慮されないのですか?」とお話をお伺いします。
例えば、長男の妻が義父(被相続人)の介護をずっとしていた場合に、長男との間に子はなく長男は義父より先に亡くなっているときなどは長男の妻は相続人ではないので原則財産を何ももらえないことになり不公平感がありました。
このような不公平感を考え、今回の法改正により上記の長男の妻のような人(特別寄与者といいます)が相続発生後に相続人へ相応の金銭の支払いを請求できることになりました。
とはいえ、各家庭で様々な状況があり相応の金銭がどのくらいになるのか中々判断しにくいかと思います。当事者間で支払いについて協議が調わないときは、家庭裁判所へ協議に代わる処分を請求することとなります。
また、この支払の請求は、特別寄与者が相続の開始及び相続を知ったときから6か月を経過したとき、又は相続開始の時から1年を経過したときは請求できなくなります。
なので、亡くなったことをすぐに知るケースがが多いと思いますので、亡くなってから6か月以内に請求しないといけないことになります。
このように、長く被相続人の介護などを続けてきた方が相続人ではないため財産をもらえないといった不公平感が緩和されることになります。
しかし、いろいろな状況がある中支払を請求したことにより揉めてしまったりすることもあるかもしれませんし、実際に支払いを請求できる金銭の適正な価格をどう決定するのかなど、今後も注視していきたいと思います。
それでは、今回はここまでで。