民法改正で変わる相続③ 「預貯金の仮払い制度」

本日も勝手にシリーズ化第4弾です。

③「預貯金の仮払い制度」

相続が発生した際、金融機関で預貯金の払戻しをするには銀行で遺言書や遺産分割協議書の提出を求められます。しかし、遺言書がなく遺産分割協議も成立していないと段階だと、亡くなった方の預貯金から葬儀費用や相続人の生活費として使いたいと考えてもすぐに払戻しができないことになります。

そこで、今回の改正により預貯金の仮払いを受けられる制度が設けられました。
方法は2種類あり、①家庭裁判所へ申立てる方法
②家庭裁判所を介さず一定額の仮払いを受ける方法
があります。①の方法は、比較的高額の払戻しを受けたい場合の利用が想定され、申立ててから払戻しを受けるまでに時間がかかります。②は早期に払戻しを受けたい場合の利用が想定されます。
①の方法は家庭裁判所での判断となりますが、②の方法は計算式があり、

単独で払戻しをすることができる額
=(相続開始時の預貯金の額)×(1/3)×(払戻しを受ける相続人の法定相続分)
※各口座ごとに算出
※同一の金融機関に対しては法務省令で定める額が限度(まだ決まってないみたいです)

他の相続人の同意を得なくても単独で払戻しを受けられるため、遺産分割協議が長引くことが予想される場合などに利用されそうですね。

それでは、また次回に。