民法改正で変わる相続①-ⅱ 「配偶者短期居住権」
①居住権の創設
前回は、「配偶者居住権」について書きましたが、今回はもう一つの「配偶者短期居住権」について書いてみたいと思います。
「配偶者短期居住権」
配偶者短期居住権は、配偶者が相続発生時に亡くなった方の建物に無償で住んでいた場合に一定期間、その建物を無償で住むことができる権利です。
一定の期間は、
①遺産分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の日から6ヵ月を経過する日のいずれか遅い日
②居住建物が第三者に遺贈された場合や配偶者が相続放棄をした場合に、居住建物の所有者から配偶者短期居住権の消滅請求を受けてから6ヵ月の間
要約すると、①は亡くなってから6か月間か遺産分割で誰が相続するのか決まった日のどちらか遅い日まで、②遺言があり建物が第三者の所有となったり、配偶者自身が相続放棄した場合は、所有者から出て行ってもらいたいと請求された日から6ヵ月間ということになります。なので最低でも亡くなってから6か月間は住み続けることができます。
配偶者短期居住権は、前回①-1の「配偶者居住権」と違い合意などは必要がなく要件を満たせば権利は保護され、登記もする必要がなく、遺産分割での取得財産として考慮されないので取得する相続財産が少なくなってしまうといった事はありません。
相続が発生し、不動産を相続しなかったらすぐに住み慣れた家を出ていかないといけないのは大変ですよね。次の住居も決めないといけないですしね。
では、また次回につづきます