亡くなったことを知った時から7日以内:死亡届
相続が開始したときは、まず死亡届の提出が必要です。死亡届を出さないと火葬に必要な火葬許可証の発行がされませんので、医師から死亡診断書(死体検案書)を受け取ったら必要事項を記入してすぐにでも提出して下さい。
届出をする人は、親族、親族以外の同居人、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、後見人、保佐人、補助人、任意後見人ですが、委任状により葬儀社が代行してもらえる場合が多いようです。
亡くなったことを知った時から3か月以内:相続放棄
相続が開始した場合、まず各相続人の皆様は、以下のいずれかの選択と判断を行う必要があります。
①亡くなった方の不動産や預金などの資産と、借金やローン等の債務をすべて相続する
②亡くなった方の資産や権利、債務などを一切相続しない
③亡くなった方の正確な資産や債務額が不明の場合、債務を差し引いてもなお資産が残る可能性があるときに、相続によって得る資産額の範囲を限度に債務の負担を相続する
①を単純承認、②を相続放棄、③を限定承認、といいます。
この①から③の選択は、「亡くなったことを知ったときから3ヶ月以内」に選択する必要があります。
亡くなったことを知った時から4か月以内:準確定申告
準確定申告は、1月1日から亡くなった日までの所得を亡くなった方の代わりに相続人が申告するものです。すべての方が必要というわけではなく、主に以下の場合に該当していた方が対象となります。
・給与所得が2,000万円を超えていた方
・給与から所得税を源泉徴収していなかった方
・給与所得以外に20万円を超える所得があった方
・公的年金による収入が400万円を超えていた方
・不動産の売却収入や賃貸収入があった方
・2か所以上の会社から給与をもらっていた方
・高額な医療費を支払い、医療費控除が受けられる方 など
亡くなったことを知った時から10か月以内:相続税申告
相続税とは、遺産を受け継ぐ際に、遺産総額の金額が大きいとかかる税金のことです。相続税がかかる金額とは、原則以下の基礎控除額を超える場合です。
3,000万円+ 600万円×法定相続人の数=相続税の基礎控除額
例)相続人が配偶者と子2名の場合
3,000万円+ 600万円×3=4,800万円
上記の場合、遺産の額が4,800万円を超えないようであれば相続税はかからないこととなります。
さらに、死亡保険金や死亡退職金などは、みなし相続財産として相続税申告上は財産額に加算されますが、これには非課税枠が設定されており、以下の金額です。
500万円×法定相続人の数=死亡保険の非課税枠
500万円×法定相続人の数=死亡退職金の非課税枠
死亡保険金や死亡退職金から上記の金額を差し引くことができます。
これら以外にも、相続時精算課税制度を利用した生前贈与や相続開始前3年以内の相続人や遺贈を受けた人への贈与の金額を相続財産へ加算し、債務や葬儀費用を差引き、課税遺産総額を算出し相続税額を計算します。
また、相続税の計算にあたっては幾つかの特例があります。具体的には、相続財産を評価する際に「小規模宅地等の評価減の特例」(一定の面積までの宅地の評価額が低くなる特例)や、配偶者に対する税額軽減措置(配偶者の法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか多い方の金額を上限に、配偶者が取得した財産にかかる相続税額が軽減される)等の特例があります。
これらの軽減措置や特例は申告書を提出することが条件で、申告書を提出した上で相続税を納めなくても良い場合があります。
当事務所では、相続に強い税理士と提携していますので、相続手続きとあわせて相続税申告も一緒に進めていくことが可能となっております。